2008年
2008年2月 母子草2月号より(路傍の石)
2008年2月
何かの本で引用されていた本をいつか読もうと付箋に書きとめ机に貼っておきました。本屋さんでたまたま見つけて購入し、ワインではないですが、いくらか書棚でねかせて(積ん読)から読んでみました。その本は「路傍の石」山本有三著。参考までに以下裏表紙の解説を記載します。
「極貧の家に生まれた愛川吾一は、貧しさゆえに幼くして奉公に出される。やがて母親の死を期に、ただ一人上京した彼は、苦労の末、見習いを経て文選工となってゆく。厳しい境遇におかれながらも純真さを失わず、経済的にも精神的にも自立した人間になろうと努力する吾一少年のひたむきな姿。」
中学へ進学したくてもできない吾一。わが娘も今春中学生。時代背景はまったく違いますが、親としても考えさせられる一冊でありました。一月に園長だよりに「使命」の話をしましたが、吾一がさまざまな人とのかかわりの中で、自分の「使命」を探っていく姿に感動。
この本が引用されていた本は何の本だったか?読後、思い出せずにいました。この編集後記に何を書こうかと、頭を悩ませていくつかの本をめくっていると、なんと発見。その引用部分は、先生が吾一に語りかける一節「たったひとりしかない自分をたった一度しかない一生をほんとうに生かさなかったら、人間、うまれてきたかいがないじゃないか」
編集後期を無事に書き終えることができたこの本のタイトルは、「小さな人生論(3)」藤尾秀昭著。今一番読まれている人生論と帯が着いていました。私にとって今一番救いの一冊でしょうか。(園長)