2011年
2011年11月 母子草編集後記(褒めるということ)
2011年11月
ロサンゼルスオリンピックの金メダリスト山下泰裕さんの講演を聞く機会に恵まれました。
「過去なんかすべて忘れてしまっていい。今この瞬間に情熱・エネルギーを注入する。
未来将来に向かって全力を尽くす。柔道で学んだことを生かして人生の勝利者になること。
人生は皆がチャンピオンになれる。」
このような信念に基づき「人生の金メダルをもらえる人間になれ」と学生たちを指導されてきたそうです。
まだまだ失敗ばかりだが過去は振り返らないと会場を笑わせていました。
その失敗談をうかがい感動しました。気合がない大学4年生部員がいたそうです。
高校・中学時代は県レベルのチャンピオン。
しかし大学では毎年力のある後輩が入ってくるとともに目標を失い練習にも力が入らなくなってくる。
そんな4年生ならいらないと思っていた。
しかし、ある病気の少年のために柔道部の部員で献血に協力をすることになった。
そしてその子の手術が終わった時に、その子のお母さんから、
だめだと思っていたその4年生が献血をきっかけに何度もその子を気遣い励まし続けていた事実を知らされる。
その後部員みんなの前でその学生のことを褒めたそうです。
そうしたらその4年生が練習に対する姿勢が全然変わったと・・・。
人を褒めるということは言葉で分かったつもりになっていて、本当に褒めるということができていなかったことを思い知らされ、
多面的に人を見られることができていなかった自分を恥じたそうです。
教育はその子の良さを伸ばしてあげること。このことをきっかけに少しずつ自分が変わっていったと・・・。
勝つことより人間教育を柔道界で訴え続けているそうです。
今勝つことより20年後30年後の柔道界が大事と・・・。
スポーツの素晴らしさを改めて実感した感動の講演会でした。(園長)